伯母からの借金の依頼
地方に住む、伯母の実体験です。
私がまだ小さかった頃は、夏休みになると決まって伯母の家に遊びに行っていました。 伯母も私を可愛がってくれていたので、伯母が大好きでした。
借金のことを知ったのは、つい最近のことです。 祖母の家で何気なくお喋りをしていたら、そういえば…と祖母が話してくれたのです。
伯母さんが借金地獄に落ちてしまったのは、どうやら旦那さんが、ギャンブルのお金を作るために借り始めたのがキッカケのようです。
ああいう事に手を染めると、短期間で何十万、何百万円とすぐにお金が無くなってしまうものですから、気がついた頃には、簡単に返済出来るような額じゃなくなっていたそうです。
最初の頃は、生活費を削って、自分のお給料を借金返済に充てていたようなのですが、それでも一度に返せる金額に限界があります。 次第に、「○日までに○万円を用意しろ」などと催促をされるようになりました。
貯金も底をついていた伯母は、とうとう身内にお金を貸してくれないかと救いを求めました。 その相手が、私の祖母だったのです。
彼女は、電話ごしに涙ながら「本当に申し訳ない。けど、どうしても期限が迫っていて…」「必ず返すから…」などと話していたそうです。 今まで大金を貸したことなんて無かった祖母は、最初は渋りましたが、とうとう折れて二度と催促の電話をしないという約束で100万円を送ったそうです。
怪しまれないように、送り主の名前を、身内の中で仲のよかった私の母にして…。 母が、過去に2度ほど伯母にお金を送っていた事もこの時初めて知りました。
数年前から返済に困っていたようです
つい数年前に、伯母の元を訪れたのですが、その時から既に、借金に苦しめられていたようでした。 私が滞在していた間、昔のまま気さくに話してくれる伯母に私も笑顔で接していました。
でも普段はというと、顔から笑顔が消え、どことなく暗い雰囲気で過ごしている事が多かったそうです。 私が来るからと空元気になっていたのか、それとも私が来たお陰で一時的だが借金の事を忘れて元気になれたのか、真相は分かりません。
私の家ではギャンブルは禁止されているので、もし私もハマッていたら…と思うと怖くなりました。 もし、私がお給料の良い会社に入っていて、十分な貯蓄があったら、伯母は私の所にもお願いの電話をしていたのかな、と時々考えてしまうのです。